認知症ホームページ

北多摩北部保健医療圏ネットワーク
 
 

Archive for the '認知症とは何か' Category

◆認知症の高齢者は189万人に!

平成14年簡易生命表によると、日本人の平均寿命は、男性は78.32歳、女性は85.23歳。寿命は著しく伸び、日本は本格的な高齢社会に突入しているのです。認知症の高齢者も年々増加し、2005年は約189万人、20年後には約292万人に達すると予測されています。
そして85歳以上のお年寄りの4人に1人が認知症といわれています。

 

[グラフ:認知症の高齢者の推移]

bases01_011.gif

厚生省「1994年、痴呆性老人対策に関する検討会報告」より

[グラフ:認知症の高齢者の年齢階層別出現率]

bases01_012.gif

平成4年2月老計第29号、老健14号「老人保健福祉計画策定に当たっての痴呆老人の把握方法等について」より

要介護(要支援)認定者における認知症高齢者の推計

単位 万人

  要介護
(要支援)
認定者
認定申請時の所在(再掲)
居宅 特別養護老人ホーム 老人保健施設 介護療養型医療施設 その他の施設

(注)2002年9月末についての推計。
「その他の施設」:医療機関、グループホーム、ケアハウス等。
カッコ内は、運動能力の低下していない認知症高齢者の再掲。(痴呆自立度「III」、「IV」又は「M」かつ、障害自立度「自立」、「J」又は「A」)。

老人保健福祉法制研究会編「高齢者の尊厳を支える介護」より

自立度II:日常生活に支障をきたすような症状・行動や意志疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。
自立度III:日常生活に支障をきたすような症状・行動や意志疎通の困難さがときどき見られ、介護を必要とする。

厚生労働省ホームページより

[グラフ:将来推計]

bases01_015.gif

(注)カッコ内は65歳以上人口比(%)。

老人保健福祉法制研究会編「高齢者の尊厳を支える介護」より

posted by admin 9月 12, 2007  05:09 PM
read (0 comments)

◆認知症は、単なるもの忘れではありません。

「久しぶりに会った人のことが思い出せない…」このような経験は誰にでもあります。「もの忘れ」は自然な老化によっておこる「単なる歳のせい」で、誰にでも起こりえます。一方、「認知症」は「病気」であり、単なるもの忘れではありません。

bases01_021.gif

 

そこで『認知症』とは

脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活がおくれなくなった状態

と定義されています。

ここでは、さまざまな症状によって毎日の生活が困難となった状態という点が大事なのです。

posted by admin 9月 12, 2007  04:09 PM
read (0 comments)

◆もの忘れはなぜおこる?

脳の神経細胞の減少や機能の低下によっておこります。

年齢を重ねるうちに「もの忘れが増えてきたな」と思う方は多いのではないでしょうか。これは脳の神経細胞の減少という免れることのできない老化現象の影響で、誰にでもおこる「もの忘れ」です。
このような、通常の老化による減少より早く神経細胞が消失してしまう脳の病気、これが『認知症』です。

◆『認知症』と『もの忘れ』の違い

認知症は、はじめのうちは歳のせいによるもの忘れとの区別がつきにくい病気です。大きな違いの一つとして、認知症は記憶のすべてを忘れてしまうのに対し、歳のせいによるもの忘れは記憶の一部を忘れているという点があげられます。

[「認知症によるもの忘れ」と「老化(歳のせい)によるもの忘れ」の違い]

認知症によるもの忘れ
病気
進むことが多い
もの忘れ以外に時間や判断が不確かになる
物盗られ妄想などの精神症状を伴うことがある
しばしば自覚していない
老化(歳のせい)によるもの忘れ
病気ではない
半年~1年では変化なし
記憶障害のみ
他の精神症状を伴わない
自覚がある

監修:東京都老人総合研究所 参事研究員 本間 昭

posted by admin 9月 12, 2007  04:09 PM
read (0 comments)

◆認知症の多くは
「アルツハイマー病」と「脳血管障害による認知症」です。

認知症は、脳が病的に障害されておこります。その原因となる病気は、頭蓋内の病気によるもの、身体の病気によるものなどたくさんあります。 しかし、多くは「アルツハイマー病」と「脳血管障害による認知症」です。なかには、原因となる病気を適切に治療することで痴ほう症状が軽くなるものもあり、それらは認知症全体の約1割を占めているといわれています。
日本では、脳血管障害による認知症の方がアルツハイマー病よりも多いといわれていましたが、最近ではその割合が逆転し、アルツハイマー病の方が多いとの報告があります。

[アルツハイマー病の比率は著しく増加している]

bases01_041.gif

「平成7年度 東京都社会福祉基礎調査・高齢者の生活実態」より

posted by admin 9月 12, 2007  04:09 PM
read (0 comments)

原因となる病気はたくさんあります。

■脳血管性の疾患
脳血管障害による認知症
脳出血、脳硬塞 など
■退行変性疾患
アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、パーキンソン病、
びまん性レビー小体病、ピック病、ハンチントン舞踏病、
ALS様症状を伴う認知症、大脳皮質基底核変性症 など
■内分泌・代謝性中毒性疾患
甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、ビタミンB12欠乏症、
ビタミンB1欠乏症、
ペラグラ、脳リピドーシス、ミトコンドリア脳筋症、肝性脳症、
透析脳症、低酸素症、低血糖症、アルコール脳症、薬物中毒 など
■感染性疾患
クロイツフェルト・ヤコブ病、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症
各種脳炎・髄膜炎、脳膿瘍、脳寄生虫、進行麻痺 など
■腫瘍性疾患
脳腫瘍(原発性・続発性)、髄膜浸潤(原発性・転移性) など
■外傷性疾患
慢性硬膜下血腫、頭部外傷後遺症 など
■その他
正常圧水頭症、多発性硬化症、神経ベーチェット、サルコイドーシス、
シェーグレン症候群 など

◆認知症の原因となる病気の解説

【脳血管性の障害】

○脳血管障害による認知症

【退行変性疾患】

○アルツハイマー病
○進行性核上性麻痺
原因は不明である。主症状は垂直性の眼球運動障害、構音障害など。軽度の認知症もみられる。
○パーキンソン病
きわめて緩徐々に進行する。ドパミン作動性神経変性疾患である。症状は筋肉が固くなったり、手足が震え、動作が緩慢になる。
○びまん性レビー小体病
脳内の特定の神経細胞にレビー小体と呼ばれる異常な物ができ、パーキンソン病症状を伴う。
○ピック病
大脳の特定部位が萎縮し、特有な人格変化、反社会的行動、反道徳的行動を主症状とし、それに認知症が次第に加わっていく。
○ハンチントン舞踏病
大脳の萎縮、脳室の拡大、神経細胞の障害などが認められ、性格変化を主とする精神障害と舞踏様不随意運動(特に顔面、手足など)があらわれる。
○ALS様症状を伴う認知症
ALSは「筋萎縮性側索硬化症」で、運動神経の細胞が消失していき運動機能障害をおこす病気。
○大脳皮質基底核変性症
前頭・頭頂葉の皮質及び皮質下諸核の神経細胞の脱落とグリアの増生がおこることにより、認知症の他に失行、眼球運動障害などがあらわれる。

【内分泌・代謝性中毒性疾患】

○甲状腺機能低下症
種々の原因により、甲状腺ホルモン分泌が低下もしくは欠如した状態で、無気力、易疲労感、かすれ声、皮膚の乾燥などの症状があらわれる。精神・神経症状があらわれることもある。
○下垂体機能低下症
下垂体自体または、視床下部の障害によって下垂体から分泌されるホルモンの分泌低下によっておこる。
○ビタミンB12欠乏症
赤血球の成熟に必要であるビタミンB12(コバラミン)が不足すると巨赤芽球性貧血(悪性貧血)を生じる。
○ビタミンB1欠乏症
糖代謝に重要な酵素であるthiamineの欠乏は脚気やウェルニッケ脳症をもたらす。
○ペラグラ
ナイアシン(ニコチン酸)の欠乏によるペラグラ(胃腸障害、口内炎、下痢、紅斑、神経・精神症状)によっておこる。下痢、皮膚炎、不眠などがおこり、原疾患の治療が行われないと認知症の状態に至ることがある。
○脳リピドーシス
脂質代謝異常により、主として中枢神経系に各種の脂質が異常に蓄積し、精神運動発達遅滞、けいれんなどの症状が認められる。
○ミトコンドリア脳筋症
細胞にあるミトコンドリアの異常により、骨格筋,心筋、中枢神経系などに障害をおこす病気。
○肝性脳症
肝機能の極端な低下によって意識障害や精神症状が起こるもの。
○透析脳症
原因は不明だが、数年を経過した慢性透析患者にときおり生じる。亜急性、進行性脳症で記憶障害を呈し、認知症に陥ることもある。
○低酸素症
気圧の低下などにより、酸素分圧が低下しておこる病気。重い場合は、脳性麻痺や精神遅滞となることがある。
○低血糖症
血糖血が下がりすぎて身体の活動性を維持できなくなる。脱力感、めまい、眠気、顔面蒼白といった症状があらわれる。
○アルコール脳症
過度の飲酒を繰り返すことで、アルコール依存になり、神経的障害があらわれる。
○薬物中毒
有機溶剤などの薬物による中毒症状。薬物によって、中毒症状は異なる。

【感染性疾患】

○クロイツフェルト・ヤコブ病
蛋白質(プリオン)が異常な蛋白質に変化して発症する。本疾患は認知症が主症状であり、急速に進行する特徴がある。
○亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
血液・髄液の抗体価の上昇、麻疹または麻疹様ウイルスの長い潜伏期の後に発症する病気。脳の萎縮などが認められる。
○進行性多巣性白質脳症(PML)
主に大脳白質(大脳皮質の髄鞘に覆われている神経細胞の走行するところ)の髄鞘があちこちで破壊される病気で、免疫機能異常と関係して発症することが多い。視力障害、構音障害、認知症などがあらわれる。
○脳炎・髄膜炎
細菌やウイルスなどによって脳や脊髄を包んでいる組織(髄膜)が破壊されることによっておこる病気。頭痛、発熱、意識障害などがおこる。
○脳膿瘍
脳の中に細菌感染がおこり、膿がたまった状態。頭痛、全体倦怠感などが一般症状である。
○脳寄生虫
脳の障害の原因が寄生虫に起因する。
○進行麻痺
長い年月、体内に潜伏していた梅毒スピロヘータが脳を侵して発症する慢性脳炎。痴呆症状と手足の痙攣、体の麻痺がおこる。

【腫瘍性疾患】

○脳腫瘍
脳内に腫瘍ができることによって、脳が圧迫されることにより種々の症状があらわれる。神経膠腫、悪性リンパ腫などいろいろある。腫瘍の局在によって、多種多様な神経症状、精神症状、内分泌症状を呈する。
○髄膜浸潤(原発性・転移性)
髄膜炎症状をおこすが非感染性で癌性(腫瘍性)である。

【外傷性疾患】

○慢性硬膜下血腫
頭をうつなどした後、脳を包む硬膜の下に出血がおき、脳が圧迫されて起こる病気。頭痛、不全片麻痺、歩行障害、もの忘れ、精神不活発などがみられる。
1ヶ月ぐらいしてから認知症があらわれることもある。
○頭部外傷後遺症
転ぶなどして頭を強く打ち命をとりとめても残る様々な障害で、麻痺や言語障害、認知症などがあらわれる。

【その他】

○正常圧水頭症
脳内の髄液が異常に増え、それでも髄液圧は正常である状態。臨床的には認知症、歩行障害、排尿疾患を特徴とする。
○多発性硬化症
中枢神経系の脱髄疾患(髄鞘がこわれる)のひとつで、脱髄斑があちこちにでき、病気の再発を繰り返す。
○神経ベーチェット
口腔粘膜と外陰部の潰瘍、皮膚症状、眼症状を主症状とするベーチェット症候群に伴う中枢神経症状で、脳炎、脳脊髄炎などの形をとる。
○サルコイドーシス
原因不明の多臓器疾患。神経障害として脳を侵す中枢神経型と脳・脊髄神経を侵す末梢神経型に大別される。
○シェーグレン症候群
自己免疫疾患で「目が乾く、口が渇く」が主におこり、水分分泌組織を攻撃して、胃液・膵液・鼻・痰などにも症状が発生する。
posted by admin 9月 12, 2007  04:09 PM
read (0 comments)

bases01_061.gif

アルツハイマー病とは、原因は不明ですが、脳内でさまざまな変化がおこり、脳の神経細胞が急激に減ってしまい、脳が病的に萎縮して(小さくなって)高度の知能低下や人格の崩壊がおこる認知症です。ゆっくりと発症し、徐々に悪化していきますが、初期の段階では運動麻痺や感覚障害などの神経症状はおきません。また、本人は病気だという自覚がないのが特徴です。

症状としては、まず「もの忘れ」があげられます。最初は、古い記憶は比較的保たれていますが、新しい出来事が覚えにくく、忘れやすいという特徴があります。病気が進むともの忘れのために生活に支障をきたすようにさえなります。また、「判断力の低下」もみられ、さらに時間、場所、人物の判断がつかなくなります。

posted by admin 9月 12, 2007  04:09 PM
read (0 comments)

◆脳内では何がおきているのか?

アルツハイマー病の特徴的な脳の変化は以下があげられます。

  • (1) 大脳皮質に著しい萎縮がみられる
  • (2) 老人斑、神経原線維変化、神経細胞の脱落がみられる
  • (3) 神経伝達物質に異常が生じている

◎大脳皮質の著しい萎縮

アルツハイマー病では、脳全体(特に側頭葉や頭頂葉)が萎縮して(小さくなって)いきます。成人では通常1,400g前後ある脳の重さが、発症後10年位たつと800~900g以下に減ってしまいます。
正常な脳と比べてみると、大脳が小さくなっていることがわかります。

正常(脳)

bases01_071.gif

bases01_073.gif

アルツハイマー病(脳)

bases01_072.gif

bases01_074.gif

ワールドプランニング「痴呆性疾患の画像診断シリーズ(1) アルツハイマー型痴呆」(1997)より

◎老人班、神経原繊維変化がみられる

アルツハイマー病の脳内では、神経細胞と神経細胞の間に老人斑(シミのようなもの)や神経細胞の中に神経原線維変化(糸くずのようなもの)がみられます。そして老人斑や神経原線維変化の増加に伴い、神経細胞が減っていきます。

老人斑

主に大脳にみられるシミのような斑点で、神経細胞と神経細胞の間にでき、神経を圧迫します。アルツハイマー病において、老人斑は比較的早期に出現します。

bases01_075.gif

神経原線維変化

神経原線維(細胞の骨格を支えたり、細胞内の物質の移動に役立っている神経線維)と呼ばれる繊維性の構造物が変性したもので、神経細胞中にたまっていきます。

bases01_076.gif

「Bodian 染色 平井俊策氏提供」

◎神経伝達物質の異常

神経伝達物質の異常は、痴ほう症の発現に深く関与しているものと考えられます。アルツハイマー病では、いろいろな神経伝達物質の減少がみられますが、特に、初期に記憶の働きに関わる神経伝達物質アセチルコリンの減少が明らかにされています。

アルツハイマー病において減少する神経伝達物質

  • アセチルコリン(Ach)
  • ドパミン(DA)
  • グルタミン酸
  • ノルアドレナリン(NA)
  • セロトニン(5-HT)
  • その他
posted by admin 9月 12, 2007  04:09 PM
read (0 comments)

 bases01_081.gif

脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、その部分の脳の働きが悪くなり、そのため認知症になることがあります。このような認知症を脳血管障害による認知症といいます。
症状は、もの忘れ、頭痛、めまい、耳鳴り、しびれ等がみられることがあり、脳卒中の発作がおこるたびに段階的に悪化することが多いようです。脳血管障害による認知症は、障害された場所によって、ある能力は低下しているが別の能力は比較的大丈夫という様に、まだら状に低下し、記憶障害がひどくても人格や判断力は保たれていることが多いのが特徴です。

posted by admin 9月 12, 2007  04:09 PM
read (0 comments)

◆脳の血管が詰まったり破れたりします。

脳血管障害による認知症の原因としては、脳梗塞の多発によるものが大部分(70~80%)を占めます。脳血管障害により脳の血流量や代謝量が減少し、その程度や範囲は認知症の程度と関係します。

正常(脳)

bases01_091.gif

bases01_0931.gif

梗塞(脳)

bases01_092.gif

bases01_094.gif

ワールドプランニング「痴呆性疾患の画像診断シリーズ(2) 脳血管性痴呆」(1997)より

◆脳血管障害による認知症の症状の特徴

脳血管障害による認知症では、障害された部位によって症状は異なり、めまい、しびれ、言語障害、知的能力の低下等にはむらがあります。また、記憶力の低下が強いわりには判断力や理解力などが相対的によく保たれている場合(まだら認知症)があります。また、症状は日によって差が激しいことがあります。

神経障害
(めまい・しびれ)

bases01_095.gif

片麻痺

bases01_096.gif

まだら認知症

bases01_097.gif

posted by admin 9月 12, 2007  04:09 PM
read (0 comments)